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| 超臨界流体中における溶質分子の拡散係数は、液体中よりも数百倍大きく、粘性は1桁以上小さいという物理的特性を有しています。 このような媒体を移動相として使用する分離分析法である超臨界流体クロマトグラフ(SFC)システムは、液体を移動相として用いる高速液体クロマトグラフと比較してカラム内での物質移動速度が速いため、 高流速でも分離効率が低下せず、高い効率を保ったまま高速分離ができる分離分析法です。 |
キラル分離分析への応用右上図は、HPLC とSFC、そして、充填剤粒子径の小さなカラムを用いて測定したハイスループットSFC (HT-SFC)により得られたクロマトグラムをそれぞれ示します。 同じ分離効率を示すクロマトグラムで比較しますと充填剤粒子径10μm の光学分割カラムを用いたSFC では、同じカラムを用いたHPLC よりも1/3 程度に、さらに、充填剤粒子径5μm の光学分割カラムを用いた場合は、 10μm カラムのSFCよりも1/3 程度に分析時間を短縮することができます。 右下図は、4 種類の光学異性体分離カラムをスイッチングバルブに接続し、モディファイア溶媒の組成比を変えながら、坑血栓薬ワルファリンの最適な分離条件で自動スクリーニングを行ったデータです。 |
| 超臨界流体クロマトグラフシステムによるディーゼル油の分析 |
ASTM(米国材料試験協会;American Society for Testing and Materials)では、FID(水素炎イオン化検出器)を接続した超臨界流体クロマトグラフ(SFC)を用いて、ディーゼル油中の非芳香族化合物、
単環芳香族化合物、多環芳香族化合物の含量の測定法を規格として掲載しています。日本分光の装置を用いて、ASTM 規格に即したSFC 測定が可能です。超臨界二酸化炭素ポンプ(PU-2080-CO2)、
オートサンプラ(AS-2059-SF)、オーブン(CO-2060)、FID 検出器、圧力調整弁(BP-2080)、データステーション(ChromNAV)で構成します。
分離カラムには5 μ m のシリカゲルを充填したSFCpak SIL PA(4.6 × 250mm)を用い、カラムからの溶出流体を一定の比でスプリットし、FID 検出器に導きました。右に流路図を示します。
右下図に、n-ヘキサデカン(0.600mg)、トルエン(0.0245mg)、テトラリン(0.16 3mg)、ナフタレン(0.0163mg)を含む標準混合液(1μL)を注入して得られたクロマトグラムを示します。
n-ヘキサデカンとトルエンの分離度、テトラリンとナフタレンの分離度はそれぞれ10.56 ± 0.04、6.27 ± 0.03 の良好な分離結果を得ることができました。
同時に各成分の保持時間とピーク面積の再現性(n=10)を調べたところ保持時間再現性は相対標準偏差で0.12 〜 0.17 %、ピーク面積では1.37 〜 1.73 %という良好な結果が得られました。
定量の直線性を調べるため、上記標準混合液をn-ヘキサデカンを希釈溶媒として2 倍、3 倍、4 倍希釈の試料液(1μL)を注入し、各成分の定量の直線性を調べたところ、良好な直線性が得られました。
また、市販されているディーゼル油(1μL)を直接注入して得られたクロマトグラムを右図に示します。この試料を4 回連続して注入して非芳香族化合物と芳香族化合物の比を求めたところ、
非芳香族化合物(79.77±0.12%)、芳香族化合物(20.23 ± 0.12 %)という再現性のよい結果が得られました。 |