ニュース お知らせ Disrelation 2次元相関マッピング解析 リリースのお知らせ

Disrelation 2次元相関マッピング解析 リリースのお知らせ

2024年4月24日

このたび日本分光は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所の新澤 英之先生の技術指導のもと開発した Disrelation 2次元相関マッピング解析プログラムをリリースします。

二次元相関マッピングは、産業技術総合研究所の新澤英之先生により考案されたスペクトルに変化が生じている相界面を明瞭にする解析手法です。結晶性や分子配向、水素結合などの分子状態の界面を可視化することができます。

Disrelation 2次元相関マッピング解析プログラムは、式(1)の Disrelation 値 | Λ1,2 | を自動計算し、その値による色分け図を自動作成するソフトウェアです。
Disrelation 値の計算は分析対象とする2波数を決めたうえで 、通常9本のスペクトル (3×3 の領域) ごとに計算していきます。式(1)で同時相関値 Φ12 が小さい場合(つまり9本のスペクトルにおいて2波数の信号強度に相関がない場合)に Disrelation 値は大きくなります。これは、3×3の領域内においてスペクトルに変化が生じていることを意味します。その変化は、選択する2波数によって結晶性、分子配向、水素結合などの状態をあらわすため、Disrelation 値による色分け図 (二次元相関マップ) を作成することで相界面のイメージを明瞭に得ることができます。

2次元相関マッピングの計算手順
2次元相関マッピングの計算手順

このソフトウェアは、日本分光製の赤外顕微鏡、レーザラマン分光光度計のマッピングデータの解析が可能です。
詳細に関しては、Application Note『Disrelation 2次元相関マッピングを用いた高分子の結晶性評価』の内容をご参照ください。

先生のご紹介

新澤 英之先生
新澤 英之 先生

産業技術総合研究所 機能化学研究部門 化学材料評価グループ
* 所属は掲載当時
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本技術指導に際してのコメント

赤外やラマン顕微鏡は対象の様々な位置でスペクトルを測定するため非常に多くのスペクトルが得られます。このため膨大なスペクトルから有益な情報を抽出するデータ解析の技術が必須となります。Disrelation 2次元相関マッピングは化学変化によってスペクトルの形状が変化する部位を効果的に検出する分析手法であり、これを使えば、多くのスペクトルの差をわざわざ一つ一つ比較するといった煩雑な解析作業も必要なくなります。

日本分光の Disrelation 2次元相関マッピングは優れたユーザーインターフェースを持ち、データ解析に不慣れな方でも簡単な操作だけで専門家と同じ分析結果を得ることが可能です。分析に赤外やラマン顕微鏡を取り扱う方にとっては非常に強力な分析ツールであり、ぜひとも皆様の研究や分析業務にお役立ていただければ幸いです。

Application Note:Disrelation 2次元相関マッピングを用いた高分子の結晶性評価

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