技術情報 日本分光分析機器歴史館

日本分光分析機器歴史館

日本分光・分析機器歴史展示コーナーは、本社の正面玄関ラウンジ内に設置されています。ここでは、日本分光が創業以来、製造・販売を行ってきた代表的な装置を展示してあります。日本分光本社に来社されたおりには、是非、お立ち寄りください。
日本分光歴史館ポイント
日本分光の技術の源泉をぜひご覧になってください。分析装置・科学機器遺産認定された装置もあります。

展示機器

DS-301(1957年製造)

日本分光の前身である財団法人応用光学研究所時代に製造された赤外分光光度計です。当時の米国製品 に対抗しうる赤外分光光度計としての評価を獲得しました。1958年に大河内記念技術賞を受賞しています。
プリズム搭載赤外分光光度計

IR-G(1965年製造)

赤外の日本分光の名を全国に轟かせた名機です。日本分光で、プリズム分光器からフィルター回折格子にシフトした最初の赤外分光光度計です。
グレーティング搭載赤外分光光度計

UVIDEC-1(1973年製造)

可視紫外分光光度計の市場に本格的に参入した自記分光光度計です。当時としては、画期的な測定値のデジタル 表示、濃度直読方式を採用しました。
紫外可視分光光度計

FLC-350(1973年製造)

シリンジポンプタイプの傑作です。ポンプ部、カラム部、検出部が分かれた、モジュール型の高速液体クロマトグラフです。
HPLC用シリンジポンプ

FAMILIC-100(1976年製造)

名古屋大学の石井教授と開発したミクロ高速液体クロマトグラフです。高速液体クロマトグラフの最初の微量試料分離分析装置として、生体分析やLC-MSなどの新しい分析分野の開発と高機能化に貢献しました。
ミクロHPLC

TRI ROTAR(1976年製造)

レシプロポンプ方式の送液ポンプに革命を起した画期的なポンプです。当時の三重大学の森助教授の助言により、トリプルヘッドのレシプロ ポンプを開発し、脈流の少ない1ストローク排出量50µLの超微量ポンプを実現しました。
HPLC用ポンプ

NR-1800(1988年製造)

お客様の用途に合わせた分光器配置で測定系が組める大型トリプルモノクロメーターを採用した、高分解ラマン測定システムです。高感度ラマン分光測定に適した明るい低迷光分光器を使用しており、大型ダブルモノクロメーター(1mクラス)では難しかった低波数も測定できます。
1988年にR&D賞を受賞しています。
ラマン分光光度計

NUVOM-1a(1991年製造)

冷凍サイクルの液ラインにフローセルを取り付け、循環するオイル濃度をオンライン、リアルタイムで高精度に自動連続測定する紫外線式油循環率計です。1992年にR&D賞を受賞しています。
紫外線式油循環率計

NFS-230C(2000年製造)

近接場ラマン分光により、従来の顕微分光法より一桁高い数百nmの空間分解能にて、カーボンナノチューブの電子状態とカイラリティー構造や光応答などの物性と表面形状を同時に測定することができます。これによりナノスケールでの光物性や材料特性の基礎研究に応用したり、製造手法の違いによる生成物の評価、精製度合いの検査を行うことができます。ナノスケールでの新たな物性の探求が可能となります。
近接場ラマン分光システム

NFIR-200(2002年製造)

先鋭化されたプローブの先端に照射された赤外光によって赤外近接場光を発生し、近接場光と試料の相互作用の結果得られた散乱信号を検出することで、赤外近接場スペクトルを測定します。空間分解能は赤外の波長によらず、プローブ先端で発生される近接場光のスポットサイズで決まり、およそプローブの先端径程度です。これにより、広い応用範囲をもつ赤外分光法を、波長以下の小さいスケールに 適用することができます。2005年に井上春成賞を受賞しています。
近接場近赤外分光システム

その他の代表的機器

ORD/UV-5(1965年製造)

旋光分散計。天然有機物研究の権威、元スタンフォード大学教授カール・ジェラシー博士の研究室に初期の製品を寄贈、博士の発表された膨大な研究論文の殆ど全てに「JASCOのORD/UV-5」として引用され、JASCOの名が世界に知られるようになりました。
旋光計

J-40(1973年製造)

円二色性測定装置として開発され、これにより測定感度が飛躍的に向上しました。パルスモーター、ディジタルデータ処理装置など、多くの先端的技術が取り入れられました。
円二色性測定装置