技術情報 アプリケーション Application Data 200-CD-0005
CD Application Data

J-820 + FMO-427L を用いたリゾチームの温度変化測定

Introduction

タンパク質は立体構造をとることによりその活性を示しており、その機能は立体構造と密接に関係しています。近年では、遺伝子操作やペプチドの化学合成により、天然とは異なるアミノ酸配列を有するタンパク質を合成することも盛んに行われています。しかし、タンパク質がアミノ酸の一次配列から、どのようにして機能的な立体構造を形成しているのか、またその安定性はどのような要素に影響されているのかという問題は明らかになっていません。このようなタンパク質の構造形成の機構を解明することは学術的な面だけでなく、人工的に合成されたタンパク質に有用な機能を与えるというような実用的な面からも重要な問題となります。

タンパク質の立体構造の安定性評価や折り畳み機構の追跡にはCD測定法が良く用いられています。CD測定法は、短時間で容易に測定ができるだけでなく、低濃度で測定が可能などの利点があります。ここでは、J-820円二色性分散計とFMO-427L型蛍光モノクロメータを使用し、リゾチームの立体構造とリゾチーム中のトリプトファン残基の微環境が温度変化に伴いどのように変化するかを測定しました。

Keywords
タンパク質, ヘリックス, リフォールディング, トリプトファン残基, 蛍光
アプリケーションデータ番号
200-CD-0005
発行
2008年