タンパク質由来の有効成分を用いたバイオ医薬品の研究、製造は近年ますます盛んになっています。バイオ医薬品は従来の低分子からなる医薬品に比べて温度やpH、塩濃度などの変化に敏感で、製造工程におけるこれらの影響でその活性が失われてしまう可能性があります。
タンパク質の構造はその活性と密接な関係があり、CD測定法はタンパク質の構造に関する知見が微量、高感度で容易に得られるため、タンパク質から成るバイオ医薬品の品質管理に広く用いられています。日本分光ではJ-1500 円二色性分散計と試料の前処理・洗浄を自動化するPALシステムを組み合わせることにより、バイオ医薬品の検査を強力にサポートする多検体タンパク質試料の自動高速測定用J-1500 - PALシステムを構築しました。
ここでは、J-1500 - PALシステムを用いて、ヒト血清アルブミン(HSA)構造のpH依存性を評価した例を紹介します。