バイオ医薬品は製造工程の変更や保存環境によってその構造が変化する可能性があるため、製造工程の変更後や保存後にも高次構造 (HOS) が維持されていることを確認する必要があります1)。また、バイオシミラーの開発においても、先発バイオ医薬品とのHOSの同一性を示すことが必要とされています2)。
CDスペクトルは、タンパク質の二次構造や三次構造の情報を反映していることから、バイオ医薬品のHOSの同一性評価に広く利用されています。ここでは、CD スペクトル形状の違いから HOS の違いの有無を統計的に判定する [qHOS] プログラムを用いて、3 種類の抗新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) VHH 抗体の HOS を評価した例を紹介します。