技術情報 アプリケーション Application Data 200-CD-0050
CD Application Data

CD分光法を用いたCBN結合型DNA アプタマーの高次構造と交差反応性の評価

Introduction

DNA アプタマーは、高次構造 (HOS) を形成することでタンパク質などの標的分子に特異的に結合する一本鎖 DNA オリゴヌクレオチドで、バイオセンサーや核酸医薬への応用が進められています。標的分子への結合親和性および特異性の高い塩基配列の DNA アプタマーは一般に、SELEX (Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment) 法によって取得されます。Yu らは、本方法を用いて (-)-トランス-Δ9-テトラヒドロカンナビノール (THC) とカンナビノール (CBN) に特異的に結合する DNA アプタマーを開発しました1)。THC と CBN は、大麻植物に含まれるカンナビノイドと呼ばれる 100 種類以上の天然化学成分の一種です。THC は高い精神活性作用があり中毒性があるため、多くの国で規制されている一方、CBN は精神活性作用はなく、炎症や睡眠改善に役立つ可能性がある成分として知られています。

核酸は遠紫外領域にヌクレオチド骨格と塩基に由来する円偏光二色性 (CD) を示します。そのため円二色性分散計は、オリゴヌクレオチドの高次構造を評価する目的に広く利用されています。ここでは、 最大 192 試料の CD スペクトルを自動測定可能な HTCD Plus ハイスループット円二色性測定システム を用い、CBN への結合に伴う DNA アプタマーの高次構造変化、および DNA アプタマーの CBN とその類縁体であるカンナビジオール(CBD)とカンナビゲロール(CBG)への交差反応性を評価した結果を報告します。

1) H. Yu, Y. Luo, O. Alkhamis, JC. Canoura, B. Yu, Y. Xiao: Anal. Chem., 93, 3172−3180 (2021). DOI: 10.1021/acs.analchem.0c04592

Keywords
バイオセンサー、核酸医薬、DNA アプタマー、オリゴヌクレオチド、高次構造、グアニン四重鎖構造、交差反応性、円偏光二色性、CD、カンナビノイド
アプリケーションデータ番号
200-CD-0050
発行
2024年
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