タンパク質に由来するタンパク質性バイオ医薬品の研究・製造は近年ますます盛んになっています。タンパク質性バイオ医薬品の製造や品質管理においてはタンパク質の熱安定性や変性に関する情報が重要となります。CDスペクトルはタンパク質の二次構造を敏感に反映し、微量・高感度で測定が可能なため、タンパク質の熱安定性やpH、塩による構造変化の解析などに広く使用されています。また、トリプトファン残基に由来する蛍光スペクトルはタンパク質の三次構造を反映しており、タンパク質の構造解析においてCDスペクトルと相補的に用いられています。
日本分光 J-1500 円二色性分散計[温度/波長スキャン測定]プログラムは固定波長での温度変化測定に加え、指定した温度でのCDスペクトルの同時測定が可能です。またオプションのFMO-522蛍光モノクロメーターを用いることでさらに蛍光スペクトルの同時測定が可能になります。ここではJ-1500円二色性分散計を用いたリゾチームの222nmの温度変化およびCD/蛍光スペクトル測定例を紹介します。