技術情報 アプリケーション Application Data 260-CD-0020
CD Application Data

DRCD法とマルチプローブ機能を利用したアラニンの粉末CD測定

Introduction

通常CD測定は溶液試料を対象としますが、難溶解性試料や溶液中で構造が変化する試料のCDも測定したいというケースが増えてきています。このような試料は固体状態のまま測定する必要があります。固体試料の測定には透過法によるCD測定が利用できますが、試料の希釈が必要な場合には試料回収が困難であり、錠剤成型などの前処理も必要です。これらの問題を解決する測定手法として拡散反射(DR)CD法が挙げられます。ここでは円二色性分散計J-1500に最適化した付属品DRCD-575と、J-1500のマルチプローブ機能とを組み合わせたDRCD法の測定例について報告します。

DRCD法とは、積分球の拡散反射測定位置に粉体試料を設置し、その拡散反射光でCDを測定する手法で、粉体試料のCD測定に有効です。しかし、試料が固体であるため試料の光学異方性に由来するLD信号がCD信号に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、DRCD法による測定ではCDに加えてLDも確認しておく必要があります。J-1500ではクアッドデジタルロックインアンプを採用し、CD信号のみならずLD信号を同時に検出するマルチプローブ機能を搭載していますので、CDスペクトル測定時にその確からしさを確認できます。DRCD法による測定の一例として、ここではL-及びD-アラニン粉末を測定試料としました。

Keywords
粉末試料、アミノ酸、DRCD法
アプリケーションデータ番号
260-CD-0020
発行
2014年
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