技術情報 アプリケーション Application Data 260-CD-0022
CD Application Data

J-1500による近赤外領域のCDスペクトル測定 -酒石酸ニッケル, リモネンの測定-

Introduction

近赤外領域には金属錯体や金属タンパク質のd-d遷移などに由来するCDスペクトル(NIR-ECD)の他、O-HやC-Hの振動遷移の倍音、結合音に由来するCDスペクトル(NIRVCD)が観測されます。金属錯体や金属タンパク質のNIR-ECDスペクトルは、中心金属のまわりの立体配置や配位子の立体配座などの非常に細かい構造に敏感に反応することが知られており、これら分子の構造解析に有効です。NIR-VCDの分野においては、NIR-VCDスペクトルを解釈するための理論や計算法が紹介されてきており、多くの実測データとの比較が行われています。

J-1500円二色性分散計は光源と検出器を交換することにより近赤外領域(~1600nm)までの測定に対応可能な装置です。これにより主に生体試料で測定される紫外領域のECDのみならず、金属錯体などのNIR-ECDや振動遷移によるNIR-VCDの測定が可能です。ここではJ-1500円二色性分散計を用いた、酒石酸ニッケル水溶液とリモネンのNIR-CDスペクトル測定例を紹介します。

Keywords
NIR-ECD, NIR-VCD, 金属錯体
アプリケーションデータ番号
260-CD-0022
発行
2014年
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