励起波長に対して短波長に蛍光を発するアップコンバージョン蛍光体は、バイオイメージングや偽造防止インク、赤外光を利用した太陽電池などへの応用が期待されており、その蛍光特性の評価が行われています。
アップコンバージョン現象は多段階励起過程を経る現象であり、原理的にその量子収率は、2段階励起の場合は光束密度の2乗に、3段階励起の場合は3乗に比例することが知られています。このため、量子収率を評価することで、アップコンバージョン蛍光体の励起プロセスを解析することができ、近年アップコンバージョン蛍光体の量子収率測定が行われています。
ここでは、重希土類を用いたアップコンバージョン蛍光体の量子収率を測定した例をご紹介します。