技術情報 アプリケーション Application Data 210-FP-0016
FP Application Data

FP-8300によるリポソームの蛍光偏光解消測定

Introduction

蛍光異方性(r)は、全光強度に対する偏光成分の比であり、蛍光性分子が励起してから蛍光を放射するまでの時間と、その間にその分子がどの程度動かずに、最初励起したときの偏光性を維持するかで決まります。従って逆に蛍光偏光度を測定することにより、そこから蛍光性分子の動きにくさを知ることができます。分子の動きに関係する要素としては、
(1) 分子の大きさ(大きいほど動きにくい)
(2) 分子の存在する場所の粘性(粘性が高いほど動きにくい)
(3) 分子が周りに束縛されている場合、その強さや自由度
などがあります。

これらは主に生体試料の測定に応用され、生体高分子の大きさやコンフォメーションの変化の解析、局所構造の解析などに利用されています。ここでは、リン脂質を水に分散してできるリポソーム(脂質二重層)に蛍光色素であるジフェニルヘキサトリエン(DPH)を加え、温度を25℃から55℃まで変化させて、その際の蛍光異方性の変化を測定した結果を示します。

Keywords
蛍光偏光解消、蛍光異方性、蛍光偏光度、リポソーム
アプリケーションデータ番号
210-FP-0016
発行
2015年
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