技術情報 アプリケーション Application Data 030-TR-0185
FTIR Application Data

遠赤外対応分光装置を用いた臭素系難燃剤(PBDE、PBB)の簡易分析

Introduction

2003 年、ヨーロッパEU 指令が正式に公布されました。これにより、電気・電子機器製造者はヨーロッパに投入する製品の廃棄物処理費用を負担することが義務づけられ、また、2006年7月1日にはRoHS指令に規定されている6品目、水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニル)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)に関しては使用禁止となります。このような規制に伴って、市場への出荷、あるいは市場から回収される製品に対し、規制物質の有無の判定、さらには含有濃度の分析が急務となっています。ここでは日本で使用されているデカブロモジフェニルエーテル(PBDE)について報告します。従来の中赤外領域を用いたATR法でもPBDEの有無についての簡易識別は可能です。しかし、樹脂の種類や構造異性体、同族体によっては識別が困難な場合もあります。また添加剤の種類によっては大きな妨害吸収となる場合もあります。一方、遠赤外分光法はプラスチック自体の吸収が少なく、添加剤や難燃剤等の吸収が単独ピークとしてシャープに現れており、異性体の分析にも威力を発揮します。FTIR-6000シリーズは近赤外から遠赤外までの測定に対応しており、同族体の種類が豊富な臭素系難燃剤の分析には最適です。

Keywords
RoHS、プラスチック、定量、ブロモフルオロビフェニル
アプリケーションデータ番号
030-TR-0185
発行
2005年