近年、食品や医薬品分析の分野においてもフーリエ変換型の近赤外測定装置(FT-NIR)が広く利用されています。FT-NIRは他の分光システムに比べ、①波数精度が良い。②明るくエネルギー効率が高い。③連続測定や、モニタリングが可能。④全領域同時測定。等いくつかの利点があります。さらに得られたスペクトルデータを多変量解析することで複数成分を同時に分析することが可能となります。また化学成分のみでなく塩分や水分、窒素量等の解析も可能です。検索ライブラリーとの併用によってさらに類似化合物との分離定量も可能です。今回は食品中のタンパク質濃度の分析とコーティング錠剤中の苦味成分の分析について報告します。