技術情報 アプリケーション Application Data 220-AT-0222
FTIR Application Data

65度入射型ATRを用いたSiウェーハ表面状態の評価

Introduction

Si基板などの半導体表面を測定・分析することは、絶縁膜として機能する熱酸化膜の状態や有機物による汚染状態などを知る上で必要不可欠です。表面分析の手法としては、XPS(X線光電子分光法、ESCA)やSIMS(二次イオン質量分析法)等が広く用いられており、これらは試料表面の元素情報を与えます。一方、赤外分光法(IR)は、XPSやSIMSなどでは解析できない分子結合状態などの情報を非破壊で容易に得ることができます。赤外分光法における表面分析は、ATR法が広く用いられています。一般的に用いられている45度入射型ATRの場合、Siウェーハをはじめとする高屈折率サンプルは、ATR測定に必要な全反射条件を満たさないため測定が困難でした。今回開発した65度入射型1回反射ATRは、プリズムに高屈折率のGe(n=4.0)を使用し、試料への光の入射角を65度としました。これにより、最表面の情報を得られるとともに、Si(屈折率=約3.4)や屈折率が2.8以上のカーボン含有ゴムなどの高屈折率試料が測定できるようになりました(参照: FT/IR application data 280-AT-0003)。

今回は、ATR法の応用事例として、65度入射型1回反射ATRを用いてSiウェーハ表面の自然酸化膜の測定を行いましたのでご報告いたします。

Keywords
Siウェーハ、自然酸化膜、65度入射、ATR、偏光測定、SiO、SiO2
アプリケーションデータ番号
220-AT-0222
発行
2011年
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