技術情報 アプリケーション Application Data 230-TR-0241
FTIR Application Data

一酸化二窒素(通称:笑気・シバガス)迅速検出システム

Introduction

一酸化二窒素(亜酸化窒素)は、麻酔作用があることから笑気麻酔等の医療用目的で広く利用されています。一方で近年、興奮作用があるとして危険ドラッグ代わりに吸入し、死亡例が報告されるなど、本来の目的から逸脱した使用による健康被害が懸念されています。インターネット上では、「自転車タイヤ充填用ガス」などと称して「シバガス」等の商品名で販売されているケースがあります。このため厚生労働省では、2015年12月公布・施行を目指して一酸化二窒素を危険ドラッグ等同様に「指定薬物」に指定し、医薬品・医療目的以外での使用を規制する方針を打ち出しました。また、和歌山県・京都府ではこれに先立ち条例による規制が行われています。

一酸化二窒素の分析には高精度に分析可能なGCが使用される場合が多いですが、現場での測定や迅速な測定という観点からは課題があります。一方、FTIRを利用した場合、迅速な測定が可能であるほか、可搬型装置を使用すれば現場でも定性分析が可能です。ここでは、現場測定が可能な日本分光のVIRシステムを使用した測定事例について報告します。

Keywords
透過、ガス、笑気、N2O、シバガス、規制
アプリケーションデータ番号
230-TR-0241
発行
2015年