技術情報 アプリケーション Application Data 250-TR-0268
FTIR Application Data

MAIRS法による薄膜中の分子集合構造解析

Introduction

機能性薄膜の物性は、一分子の化学構造だけでは決まらず、分子集合構造に大きく依存するため、集合構造を明確に可視化できる分析手法が必要です。京都大学化学研究所 長谷川健先生の研究室で開発された MAIRS 法 (Multiple-Angle Incidence Resolution Spectrometry ; 多角入射分解分光法)は、有機薄膜の分子集合構造を、分子配向解析を通じて可視化する分光解析手法です。FTIR と組み合わせた MAIRS 法で固体基板上に載せた薄膜を測定すると、各遷移モーメントの、膜面に対して水平 (面内: IP) および垂直 (面外: OP) 成分に対応する 2 つのスペクトルが同時に得られます。MAIRS 法で得られる IP および OP スペクトルは、縦軸が同一スケールで得られるのが大きな特長です。これにより、官能基ごとの分子配向を定量的に容易に求めることができます。

Keywords
MAIRS、薄膜、分子配向、面内スペクトル、面外スペクトル
アプリケーションデータ番号
250-TR-0268
発行
2020年
このApplication Dataをダウンロードする