技術情報 アプリケーション Application Data 032003H
LC Application Data

蛍光検出器FP-4020の蛍光スリット幅による検出感度の向上

Introduction

多環芳香族炭化水素(PAHs)は、縮合芳香族環からなる化合物であり、ディーゼル油や石炭などの炭素含有物質の不完全燃焼によって生成されます。PAHsのうち幾つかは発がん性物質としても知られており、環境中のPAHsの検出及び定量が重要になってきます。

一方、これらの検出を行う蛍光検出器では、蛍光側の出射スリットの幅を変更することにより、検出感度を向上させることができます。励起波長と蛍光波長が近接し、バックグラウンドが大きい場合はスリット幅を小さくすることでSN比の向上が期待でき、反対に励起波長と蛍光波長が離れている場合は、スリット幅を大きくすることでSN比の向上が期待できます。

今回は、蛍光検出器FP-4020を使用し、スリット幅を20nm及び40nmとした時のPAHsの検出感度を比較しましたので報告します。

Keywords
PAHs, CrestPak C18S, FP-4020, スリット幅
アプリケーションデータ番号
032003H
発行
2015年