OPAポストカラム誘導体化-HPLC法による調味料中の生体中遊離アミノ酸分析

Introduction

生体中遊離アミノ酸は通常、タンパク質と結合せず体液や血液中に単体で存在していますが、体内のタンパク質が不足した際には血液中から取り込まれてタンパク質の原料になります。また、体内のタンパク質が過剰な時には血液中に戻されます。この様に遊離アミノ酸は、体内のタンパク質の量を調節する重要な役割を果たしています。近年では、疲労回復や抗酸化作用、動脈硬化予防等に有効とされる遊離アミノ酸も注目されており、それら遊離アミノ酸を分析できる手法が求められています。

今回使用した誘導体化試薬であるo-フタルアルデヒド(OPA)は、チオールの存在下にてアミノ酸と反応すると、励起波長 345 nm、蛍光波長 455 nm で蛍光を示します。その際、環状アミノ酸であるヒドロキシプロリン及びプロリンは、あらかじめ次亜塩素酸ナトリウム溶液(Hypo)で開環しておく必要があるため、反応試薬との混合は、Hypo→OPA の順にて2段階で行います。OPA ポストカラム誘導体化-HPLC 法では、これらの誘導体化を、カラムによる分離後、オンラインにて自動で行うことが可能です。

今回、OPA ポストカラム誘導体化-HPLC 法により、調味料に含まれる生体中遊離アミノ酸の測定を行いましたので報告します。