生体中遊離アミノ酸は通常、タンパク質と結合せず体液や血液中に単体で存在していますが、体内のタンパク質が不足した際には血液中から取り込まれてタンパク質の原料になります。また、体内のタンパク質が過剰な時には血液中に戻されます。この様に遊離アミノ酸は、体内のタンパク質の量を調節する重要な役割を果たしています。近年では、疲労回復や抗酸化作用、動脈硬化予防等に有効とされる遊離アミノ酸も注目されており、それら遊離アミノ酸を分析できる手法が求められています。
今回使用した誘導体化試薬であるニンヒドリン(Ninhydrin)は、1級アミンのアミノ酸(α-アミノ酸)と反応するとルーへマン紫という青紫色を呈し、環状構造をもつ2級アミンのアミノ酸であるプロリン及びヒドロキシプロリンと反応するとプロリンイエローという黄色を呈します。これらはそれぞれ 570、440 nm で検出する事ができます。
今回、2波長同時検出が可能な紫外可視吸光度検出器UV-4070を用い、ニンヒドリンポストカラム誘導体化-HPLC法による調味料に含まれる生体中遊離アミノ酸の測定を行いましたので報告します。