技術情報 アプリケーション Application Data 470003H
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ダンシルクロリド(DNS-Cl) を用いたプレカラム誘導体化法による赤ワイン中の不揮発性腐敗アミンの分析

Introduction

不揮発性腐敗アミン類(以下不揮発性アミン)は、タンパク質やアミノ酸の微生物腐敗による分解過程で生じます。アミン類による食中毒は、マグロやイワシなどの赤身魚やその加工品によって発生することが多く、顔面紅潮や蕁麻疹などの食物アレルギーとよく似た症状を起こします。その主な原因となる物質がヒスタミンです。食物アレルギーは、アレルゲンとなるたんぱく質を摂取した際の免疫反応によって起こりますが、ヒスタミンによる食中毒は免疫反応とは関係なく、ヒスタミンを摂取することで発症します。またカダベリン、プトレシン及びチラミンには、体内でのヒスタミンの解毒を阻害したり、ヒスタミンの吸収を促進したりするなどの作用があるため、ヒスタミンと合わせてモニターする必要があります。

一方、同じ不揮発性アミンでも、スペルミジンなどのポリアミンに関しては近年、健康寿命を延ばす効果があるという研究結果も出てきています。生体内のポリアミン濃度を高いレベルで維持することで、老化によって引き起こされる病気や疾病のリスクを下げられると考えられています。

日本薬学会が出版している衛生試験法・注解では、不揮発性アミンの分析法としてダンシルクロリド(DNS-Cl) 誘導体化-HPLC 法が採用されています。今回はこの衛生試験法・注解を参考にし、DNC-Cl で誘導体化したアミンを分析した結果を報告します。

Keywords
HPLC、蛍光検出、不揮発性腐敗アミン、赤ワイン、DNS-Cl、プレカラム誘導体化、EXTREMA
アプリケーションデータ番号
470003H
発行
2021年
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