技術情報 アプリケーション Application Data 520018H
LC Application Note

ハートカット 2D-LC システムを用いた精油中成分の分析

Introduction

ハーブや漢方等の天然物には、薬効成分や香気成分等の様々な有効成分が含まれており、それらは医薬品や香料の原料として利用されています。例えば香気成分であるピネンは、モノテルペンの一種であり、テレビン油等多くの精油に含まれています。このピネンにはα,βの構造異性体が存在し、α-ピネンを酸化するとベルべノン、加水分解するとテルピネオール、触媒によって異性化するとカンフェンがそれぞれ合成されます。その他、ミルセンやリモネン、カンファーもピネンを原料として生成されます。

今回、3種の精油(ローズマリーカンファー、吉野ヒノキ、バルサムファー)について、それらに含まれる成分の分析を行いましたので報告します。なお、目的分析種であるリモネンとカンフェンについては C18 等の逆相系カラムによる分離が困難であった為、トラップカラムを使用したハートカット 2D-LC による分離を試みました。その結果、これら 2 成分の分離にはキラルカラムである CHIRALPAKAD-RH (ダイセル社製)* の利用が有効である事が示されました。
* CHIRALPAK は株式会社ダイセルの登録商標です。

Keywords
精油、アロマオイル、香料、モノテルペン、ハートカット 2D-LC、Unifinepak C18、CHIRALPAK AD-RH
アプリケーションデータ番号
520018H
発行
2024年
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