保存料は、食品の保存性を高めてくれる添加物であり、食品の腐敗や変敗の原因となる微生物の増殖を抑制します。しかし、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定した添加物でなければ使用する事はできません。食品衛生法の指定添加物リストに収載されている物質については、安全性試験や有効性評価の結果に基づき、成分規格や使用基準が定められています。
衛生試験法・注解 2020 において、安息香酸、ソルビン酸及びデヒドロ酢酸の分析と、p-ヒドロキシ安息香酸エステル類の分析は、同一の緩衝液を使用しつつも組成や波長がそれぞれ異なる条件で測定する手法が紹介されています。今回は、衛生試験法・注解 2020 に記載されている手法を参考に、これら保存料についてグラジエント溶離及び UV 検出器の2波長検出機能を使用した一斉分析を行いましたので報告します。