技術情報 アプリケーション Application Data 630005HX
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HPLCおよびUHPLCによる食品中の総アフラトキシンの分析

Introduction

アフラトキシンは、熱帯から亜熱帯地域に生息するAspergillus flavus、Aspergillus parasiticus、Aspergillus nomiusなどが産生するカビ毒で、強い発がん性を有します。主に輸入の穀物、豆類、香辛料などから、食品衛生法に定められたアフラトキシンの規制値を超えて検出される事例が報告されています。また、近年では国産の食品からも検出される事例も報告されています。

日本では、2011年3月31日付けの通知で、アフラトキシンに関する規制が強化され、2011年10月1日より適用されることとなりました。これにより、現存する天然物中で最も発がん性が高いとされるアフラトキシンB1が10µg/kg未満という従来の規制から、総アフラトキシン量(アフラトキシンB1, B2, G1およびG2の総和)が10µg/kg未満という規制へと変更になりました。新たに通知された試験法では、アフラトキシンB1およびG1の感度を上げるため、トリフルオロ酢酸(TFA)により誘導体化後、蛍光検出器付きのHPLCシステムで測定を行う方法が採用されています。また、試験溶液の前処理には、多機能カラムもしくはイムノアフィニティーカラムを使用するように記述されています。

今回は、新試験法に準拠した通常のHPLCによる分析と、UHPLCを用いた高速分析例について報告します。

Keywords
総アフラトキシン, TFA誘導体化, 蛍光検出器, UHPLC
アプリケーションデータ番号
630005HX
発行
2013年