技術情報 アプリケーション Application Data 742027H
LC Application Data

第十七改正日本薬局方に基づいたカンゾウ末中グリチルリチン酸の分析

Introduction

甘草(カンゾウ)は、マメ科の多年草の植物であり、抗アレルギー剤、肝疾患用剤、胃腸薬、鎮咳去痰薬などさまざまな薬効をもつことから漢方薬としてよく利用されています。また、主成分であるグリチルリチン酸は、スクロースの数十~数百倍の甘みを持つといわれ、醤油やお菓子などの甘味料としても使用されています。しかし、このカンゾウ(特にグリチルリチン酸)は、薬効がある反面、過剰摂取によって高血圧症や浮腫みなどの副作用が生じることが知られています。

グリチルリチン酸に関しては、第十七改正日本薬局方(平成28年3月7日 厚生労働省告示第64号)にて、基準値や測定方法が変更されています。第十六改正日本薬局方(平成23年3月24日 厚生労働省告示第65号)では、「本品は定量するとき、換算した生薬の乾燥物に対し、グリチルリチン酸(C42H62O16: 822.93)2.5%以上含む」とされておりますが、第十七改正日本薬局方では、「2.0%以上含む」となっています。また測定条件についても、グリチルリチン酸がその標準品に含まれる不純物(類縁体)と分離される条件に変更され、「システムの性能」においても、不純物との分離度が1.5以上になるようにと定められました。

今回、第十七改正日本薬局方に基づき、カンゾウ末中のグリチルリチンの定量を行いましたので報告します。

Keywords
第十七改正日本薬局方, グリチルリチン酸, カンゾウ末, Unifinepak C18, UV検出器
アプリケーションデータ番号
742027H
発行
2016年
このApplication Dataをダウンロードする