技術情報 アプリケーション Application Data 810029H
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ジクワットの分析~水質管理目標設定項目の検査方法

Introduction

ジクワットは、ビピリジニウム系非選択型除草剤の一種で、土壌に接触すると直ちに不活性となるため、作物の木や根を枯らすことがなく、散布後すぐに種を蒔いたり作物を植えたりできるといった特徴があります。しかし、ジクワットは人体に対する毒性が強く、劇物に指定されていることから、平成15年5月30日に水質基準に関する省令の改正が厚生労働省から公布(厚生労働省令第101号)され、同年7月22日にはその検査方法が告示(厚生労働省令第261号)されました。また、平成15年10月10日には水質基準を補完する項目として水質管理目標設定項目が新たに定められました(健水発第1010004号)。

ジクワットの分析方法は、水質管理目標設定項目の検査方法(平成15年10月10日付健水発第1010001号(最終改正令和5年3月24日))の別添方法11に記載されており、固相抽出-HPLC法が採用されています。この分析方法は、検水中のジクワットを固相カラムにより濃縮させ、0.1 mol/L 塩酸で溶出した検液をHPLC装置を用いて吸光度検出する方法です。水質検査の実施に当たっては、原則として目標値の100分の1まで測定し、この値の変動係数が20以下となるように精度を確保することが求められています。ジクワットに関しては、目標値は0.01 mg/L、その100分の1に相当する定量下限値は0.0001 mg/L(下限を確保できない場合は0.001 mg/L)と設定されています。

今回、ジクワットをこの検査方法に準拠して測定し、固相抽出による添加回収試験も行いましたので報告します。

Keywords
ジクワット、水質基準、水質管理目標設定項目、固相抽出、Inertsil WP 300 C18、UV 検出器
アプリケーションデータ番号
810029H
発行
2023年
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