技術情報 アプリケーション Application Data 820030H
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ポストカラム吸光光度法による六価クロムの分析

Introduction

クロムは自然界には通常三価クロムの状態で安定して存在しています。一方、六価クロムは非常に強い酸化作用があり、触れると皮膚炎や腫瘍を起こすほか、吸入すると鼻粘膜の障害を起こすことや発がん性が指摘されるなど、強い毒性を持つことが知られています。そのため、六価クロムは環境基本法・環境基準や水質汚濁防止法・排水基準など多くの法令で規制の対象にされています。

2018年3月に環境省で作成された「有害大気汚染物質測定法マニュアル」には、大気粉じん中の六価クロムの測定方法が示されており、アルカリ含侵フィルターによる捕集-イオンクロマトグラフ-ポストカラム吸光光度法による測定条件が収載されています。この測定条件では、カラムで分離された後に1,5-ジフェニルカルボノヒドラジド(1,5-Diphenylcarbonohydrazide)による誘導体化を行い、紫外可視吸光度検出器で検出します。

この測定法での目標定量下限値は、「EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)の10-5リスクレベル基準が0.8ng/m3であることから、その10分の1である0.08ng/m3を測定できることとし、可能であれば、更に低レベルの基準であるWHO欧州事務局ガイドラインの0.25ng/m3の10分の1である0.025ng/m3まで測定できることが望ましい。」とされています。

今回、イオンクロマトグラフィー用カラムを用いた条件で、六価クロムの標準試料を測定したので報告します。

Keywords
大気粉じん、六価クロム、ポストカラム吸光光度法、Shodex IC SI-50 4E、紫外可視吸光度検出器
アプリケーションデータ番号
820030HRE
発行
2021年
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