技術情報 アプリケーション Application Data 820035H
LC Application Data

LC/MS/MSによる水道水中のフェノール類の分析

Introduction

フェノール類は防腐剤などに用いられ、工場排水などから水道原水に混入したフェノール類は、消毒剤である塩素と反応してクロロフェノール類を生成します。クロロフェノール類は飲料水に異臭味を与えてしまうため、臭味発生防止の観点から水道法の水質基準項目の一つとなっています(厚生労働省令第101号)。測定法としては、固相抽出-液体クロマトグラフ-質量分析法が採用されています(厚生労働省告示第261号別表第29の2)。

フェノール類の基準値は、フェノール、2-クロロフェノール、4-クロロフェノール、2,4-ジクロロフェノール、2,6-ジクロロフェノール、2,4,6-トリクロロフェノールの合計(フェノールへの換算値)で0.005 mg/L以下となっています。また、定量下限は10分の1の0.0005 mg/L、併行精度は20%以下となっています。

今回は、検出器としてSCIEX社製トリプル四重極質量分析計(Tripe QuadTM 3500)を使用し、LC/MS/MSにより水道水中のフェノール類の測定を検討し、固相抽出処理における添加回収試験も行いましたので報告します。

Keywords
フェノール類、水質基準、固相抽出、トリプル四重極質量分析計、LC/MS/MS
アプリケーションデータ番号
820035H
発行
2021年
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