技術情報 アプリケーション Application Data 820036H
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イオンクロマトグラフ-ポストカラム誘導体化法による水道水中のシアン化物イオン、塩化シアンの分析及び妥当性評価ガイドラインへの対応

Introduction

シアンは自然水中にはほとんど存在しませんが、シアン化合物イオンは排水などの混入によって、また塩化シアンは水を塩素処理した場合に生成される可能性があります。いずれも水道法の重要な水質基準項目の一つです(厚生労働省令第 101 号)。シアン化物イオン及び塩化シアンの分析法には、イオンクロマトグラフポストカラム吸光光度法が採用されています(水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(平成15年7月22日厚生労働省告示第 261 号 〔 最終改正令和2年3月25日厚生労働省告示第 95 号 〕 )。この分析方法は、カラムから溶出したシアンにクロラミン T を作用させて塩化シアンとし、次いで 4-ピリジンカルボン酸・ピラゾロン溶液と反応して得られた青色物質を波長 638 nm で測定して、シアン化物イオン及び塩化シアンを分離定量します。シアン化合物イオン及び塩化シアンの基準値は 0.01 mg/L 以下となっていますが、水質検査の実施にあたっては基準値の10分の1付近における値の変動が 10% 以下となるよう精度を確保する必要があります。

今回は分析時間が従来の半分となる高速分析用カラムを用い、この分析方法及び水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン(平成24年9月6日付け健水発 0906 第 1 号別添 〔 最終改正:平成29年10月18日付け薬生水発 1018 第 1 号 〕 )に即して測定を行った結果を示します。

Keywords
シアン化物イオン、塩化シアン、水質基準、ポストカラム誘導体化、EXTREMA、Shodex RSpak KC 811 6C、紫外可視吸光度検出器、高速分析、妥当性評価ガイドライン
アプリケーションデータ番号
820036H
発行
2021年
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