非イオン界面活性剤は、水に溶解した時にイオン化しない親水基を持つことから、水の硬度や電解質の影響を受けにくく、他のすべての界面活性剤と併用できるといった性質を持っています。この使いやすさと高い洗浄力、優れた乳化・分散性を持ちながら、低刺激であることから、近年では生産量・使用量が増加しています。
非イオン界面活性剤は、平成16年度より水質基準値として0.02mg/L以下とするよう定められました。分析法としては、非イオン界面活性剤をコバルト(Ⅱ)と錯体化し、発色試薬である4-(2-ピリジルアゾ)-レゾルシノール(以下PAR)溶液と反応させて吸光度を測定する固相抽出-吸光光度法が告示されておりました。さらに平成24年度より省令の一部が改正され、新たな検査方法として、固相抽出-高速液体クロマトグラフ法が追加されました。水質検査の実施に当たって、非イオン界面活性剤に関しては、基準値の10分の1まで測定し、‘この値の変動係数が20%以下となるように精度を確保すること’と記載されています。
今回、この検査方法に基づき、非イオン界面活性剤の固相抽出-高速液体クロマトグラフ法による測定を行いましたので報告します。