梱包に用いられるような紐は、一方方向には簡単に裂けますが、その他の方向に対しては強度が高いという性質があります。これは、ポリマーを一定方向に延伸することで分子鎖が配向し、特定方向の物理的強度が増加したためです。このように、フィルムや化学繊維などのポリマー材料の配向状態は、材料の機能や特性に深く関係しています。偏光顕微ラマン分光法を用いると、ミクロンオーダーの微小領域を、非破壊・非接触で測定し、ポリマーの配向評価を行うことができます1)。
ここでは、偏光顕微ラマンシステムとシェアリングホルダーを用い、ポリエチレン紐の配向評価を行った結果についてご紹介します。