近年、スマートフォンやタブレット等のタッチパネル部分に使用されるガラスの需要が大きく増加していますが、ガラスは落下などによる衝撃で割れやすい点が課題となっているため、これを解決するために様々な化学強化ガラスが開発されています。
ラマン分光法は、非破壊かつ非接触で化学構造を分析できることから、これまでもガラスの分析手法として、水素濃度定量、気泡のガス成分の同定、Si-O 多員環構造の解析などに利用されてきました。加えて、東北大学応用物理学専攻の寺門信明先生・藤原巧先生方の研究グループにより、ラマン分光法を用いて化学強化ガラスの強度を深さ方向に対してミクロンオーダーの高精度で評価する新規手法が報告されました。
今回はこの手法を用いて、ガラスの未強化品と化学強化品を比較した事例を紹介します。