天然の鉱物資源として産出される岩石が有する特性は、主にその生成過程で取り込まれる無機物によって特徴付けられています。岩石は見た目だけでは判別が難しく、その組成の決定には分析機器を用いた客観的な分析が必要です。
岩石には微小サイズの成分が局在しており、また岩石表面だけでなく埋没して存在している場合があります。埋没した成分を非破壊分析するには、共焦点光学系を備えたラマン分光法が有用です。ここでは、顕微ラマン分光光度計を使用して岩石をイメージング測定し、成分分布を可視化した結果を報告します。さらに、顕微鏡レベルで凹凸の観測される岩石表面の形状に沿った表面分析も併せて行いました。