ラマン分光法は無機物の分析に広く利用されていますが、アモルファス(非晶質)材料では測定事例が限定的でした。本 Application Note では、黒曜石・松脂岩を対象に極低波数領域まで測定し、ボソンピークを利用してガラス質の内部構造を評価した事例をご紹介します。
Raman Application Note
170-AN-0057「ラマン分光法による黒曜石の分析:極低波数領域を活用したアモルファス物質分析へのラマン分光法の適用」
60 cm-1 以下に現れるボソンピークを利用し、原子の詰まり具合に関する情報を取得できます。
黒曜石・松脂岩ではボソンピークの位置に違いが確認され、化学組成だけでは分からない分子レベルの内部構造を識別できる可能性が示されました。
長石やマグネタイトに帰属されるバンドから、ガラス中に形成された微量な結晶相を確認しています。
アモルファス固体には、ラマンスペクトルの極低波数領域に特徴的なボソンピークが現れます。ボソンピークの位置は比容と関係するため、通常の分子振動情報に加えて、原子の詰まり具合に関する情報を得ることができます。
ボソンピークは一般に 60 cm-1 以下に現れるため、その分析には極低波数領域の測定が必要です。本 Application Note では、10 cm-1 程度まで測定可能な極低波数測定ユニットを使用しています。
黒曜石の測定では、通常の波数領域では明瞭でなかった試料間の違いが、極低波数領域のボソンピークに現れました。極低波数ラマンによって、ガラス質の分子レベルの内部構造を識別できる可能性が示されています。
PDFでは、産地の異なる黒曜石・松脂岩のラマンスペクトル、ボソンピークの比較、具体的な測定条件などをご覧いただけます。
