技術情報 アプリケーション Application Data 260-AN-0010
Raman Application Data

レーザラマン分光光度計NRS-4100による埋没異物測定

Introduction

現在、広く利用されている微小異物の同定手法の1つとして顕微FTIRがあります。顕微FTIRは、豊富なデータベースが揃っていることから異物の同定に威力を発揮しますが、空間分解能が数µm程度である、異物が埋没している場合は前処理が必要である、などの問題があります。このため、最近では顕微FTIRと併用する形で、レーザラマン分光光度計が異物分析に利用されるようになってきました。ラマン分光法は、赤外分光法と同様に分子振動から分子構造を解析する手法ですが、①主に可視レーザーを使用するため空間分解能が1µm程度と高い、②埋没異物も含め試料を前処理することなく非破壊・非接触で測定できる、③低波数測定が容易なため無機物の同定がしやすい、などの特長があります。このため、異物の微小化や多様化も相まってラマン分光光度計による異物測定のニーズは拡がりつつあります。

日本分光ではこうしたニーズに応えるべく、異物測定などにおいてFTIRとの併用を念頭に置き、操作の簡便性および小型化を実現したレーザラマン分光光度計NRS-4100を開発しました。

今回は、NRS-4100の特長および高分子フィルム中に埋没した異物の同定を行った事例をご報告します。

Keywords
異物、ラマン、深さ方向、無機物、高分子、埋没試料
アプリケーションデータ番号
260-AN-0010
発行
2013年
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