ラマン分光法は、分子構造や結晶構造を解析する手法として半導体・炭素材料などの無機物から各種高分子材料や生体試料などの有機物まで幅広い範囲の研究・開発分野で利用されています。最近ではレーザーや光学素子の小型高性能化・低価格化に伴い比較的安価なラマン分光光度計が登場し、その結果、医薬品・食品などの品質管理を中心に幅広い分野で利用されはじめました。ラマン分光法は赤外分光法と比べサンプリングが不要である、微小領域の測定ができるなど多くの利点がありますが、その中でも赤外顕微鏡に比べ、低波数まで測定が可能であり無機物の同定能力が高いという大きな特長があります。
ここでは、有機物と無機物を人工的に混ぜ合わせた化粧品に着目し、メーカー間による混合物の分散状態の差異を顕微レーザラマン分光光度計で評価しました。