RI-4030型示差屈折率検出器はベースラインの安定性が高く、安定化までの時間が従来機種より大幅に短縮されました。また、配管の組み換えにより、1台で分析スケールと120mL/minまでの分取スケールの2通りの使い方ができます。
高速液体クロマトグラフのポンプでは、液体中の溶存気体が液体の流れの中で圧力差により気泡を発生消滅するマイクロバブルキャビテーションが起こります。この現象を避ける目的で、日本分光の高速液体クロマトグラフのポンプの送液方式にAdvanced SSQD方式を搭載しています。この方式は、気泡を発生させないようにゆっくり吸引して素早く押し出すデリバリーヘッドと連動して動作するモディファイアーヘッドとで構成されています。詳しくは下記動画でご紹介します。
Dual Flowシステムでは、示差屈折率検出器のリファレンスセル内を常にサンプルセルと同じ移動相を流し続けることで、溶媒の経時変化によるドリフトを抑制し、長時間測定でのベースラインを安定させます。さらにシステムフードを用いることにより外気温変化の影響を抑え、システムの安定性を高めることが出来ます。
バリエーション豊かなポンプと示差屈折率検出器の組合せによって、様々な目的に合わせたシステムの構築が可能です。
ポンプは汎用タイプの PU-4180 に加えて、高分離または迅速分析のためのセミミクロカラム用として PU-4185 を、高流量の溶媒を流す分取カラム用として PU-4086 をラインナップしています。示差屈折率検出器は、流路を切り替えることにより分析スケールと分取スケールを使い分けられる RI-4030 とセミミクロ分析スケールに特化した RI-4035 をラインナップしています。
また、分取スケールに特化し最大10 mLまで注入可能な分取用オートサンプラー AS-4058、1つのサンプルを繰り返し分取する際に便利で、20 mLまで注入可能なラージボリュームインジェクター LVI-4000 もラインナップしています。
ChromNAV GPC/SECは、校正曲線の作成から分子量分布の計算まで、一連の作業を簡単に操作できるように設計されています。計算範囲のハイライト表示や、校正曲線・クロマトグラムの重ね描き表示を採用し、視覚的に分かりやすい画面構成です。また、少数サンプルのマニュアル計算にも、多検体を一度に処理する自動計算にも、それぞれに使いやすく工夫された操作性を備えています。
校正曲線の作成から、試料クロマトグラムの計算範囲指定などを1ウィンドウで行えます。ピークを自動検出して分子量計算を実行する自動計算と直感的に操作できるマニュアル計算を選択できます。
不分離なピークを分離することが可能です。カーブフィッティング計算で得られた各ピークはクロマトグラムとして保存されます。
分子量校正曲線を重ね書きで比較できます。GPC/SECシステムの安定性や、カラムの状態を比較・確認できます。
校正曲線のインポート・エクスポートが出来ます。分子量校正曲線を他のプロジェクトでも使用する際に便利です。
迅速・高性能分析用カラムには、セミミクロGPC/SECシステムをご利用いただけます。1 mL/min以下の低流量に適したポンプと小容量セルを搭載した示差屈折率検出器により、分析の高速化と溶媒消費量の削減を実現します。高価な移動相であるHFIPでの測定にも適しています。移動相にHFIPを用いたナイロン6の分析例では、溶媒消費量が従来分析と比べ1/4に削減されました。
参考アプリケーションデータ
310013GRE セミミクロスケールGPCによるナイロン6の分析
成分が溶出する時間領域が分かっているGPC/SECでのクロマトグラムはスタックインジェクション分析を適用をしやすい分析条件です。分析途中で次の試料を注入することでトータルの分析時間を短縮し、スループットを向上することで溶媒消費量を削減します。また、シミュレーション機能により適切な注入間隔を簡単に設定できます。
GPC/SECリサイクルシステムは、分離が不十分なクロマトグラムの分離向上に有効です。バルブ切換にて移動相を循環させる流路を作り、1本のカラムに複数回試料が通過することで、長いカラムと同等の高分離を実現します。移動相を循環させている間は溶媒を消費しないため、溶媒使用量の節約にもなります。
参考アプリケーションデータ
320009H ポリスチレンオリゴマーのリサイクル分取