実測スペクトルを計算化学による理論スペクトルと比較することで絶対配置を決定可能です。
VCD は XRD や NMR よりも比較的簡易な前処理で測定を実施することができます。
キラルな分子の絶対配置の決定は医薬品の開発、生体メカニズムの解明、新物質の合成などの場面で日々行われています。多くの場合、確実性の高い手法としてX線結晶構造解析(XRD) が使用されていますが、この手法は測定対象分子の単結晶の作成に時間がかかることに加え、結晶化の難しい分子には適用が困難であるという課題があります。また、核磁気共鳴(NMR) による測定も絶対配置の決定に有効ですが、誘導体化やキラル分子の添加などの前処理が必要です。
振動円偏光二色性(VCD) スペクトル測定と計算化学による分子の絶対配置決定法は特に低分子の解析において、結晶化や誘導体化などの手順を必要としない簡便な手法です。ここでは、回虫駆除のために内服されてきた天然医薬品であるサントニンについて、FVS-6000 振動円偏光二色性分光光度計によるVCDスペクトル測定と密度汎関数理論(DFT) による理論スペクトル計算との結果の比較から、その絶対配置を決定した例を紹介します。
