技術情報 アプリケーション Application Data 260-FP-0025
FP Application Data

蛍光自動水質測定システムによる環境水の評価

Introduction

近年、河川や湖などの環境水の分析手法として、 3D 蛍光データとPARAFAC (Parallel Factor analysis) を応用した事例が増えています。環境水中には、フミン酸類、トリプトファン、人工化学物質等、様々な物質が含まれており、3D 蛍光データにも多成分の重なり合った蛍光ピークが検出されます。PARAFAC はこのようなデータの解析に有力で、各成分の 3D 蛍光データに分離することができ、成分推定や定量も行うことができます。

しかし、3D 蛍光データからこのような解析を正しく行うには、蛍光スペクトル補正に加えて、水のラマン信号除去やIFE (Inner Filter Effect) 補正等も必要となります。さらに、水質分析の分野では、一般的に測定サンプル数が多くなるため、測定や各種補正が煩雑になり手間を要していました。

今回ご紹介する日本分光の自動水質分析システムは、この煩雑さを解決するものです。IFE 補正用の吸光度スペクトルの測定や各種補正、硫酸キニーネ溶液による強度規格化を含み、3D 蛍光測定からSolo (PARAFAC が行える多変量解析ソフトウェア) で読み込める形式のデータ出力までを全て自動化したオートサンプラーシステムになっています。ここでは、河川から採取した水の測定および解析結果を示します。

Keywords
PARAFAC、3D 蛍光 (Excitation-Emission Matrix; EEM)、環境水、オートサンプラー
アプリケーションデータ番号
260-FP-0025
発行
2019年
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