ガラスを透過する近赤外光は粉末試料を試験管やサンプル瓶に入れたまま測定できるため簡便な定量や定性分析手法として広く利用されています。これに対して、液体試料の測定は通常、透過法が利用されており、使用するセル長は一般に 1~3 mm 程度の薄いセルが用いられています。市販のセルは使い捨てで使用するには高価であり、洗浄することはセル長が薄いため、非常に困難でした。これまでに、ヘマトクリット毛細管を使用した測定例を紹介しましたが、香料等、刺激臭の強い試料の場合にふたができない、あるいは粘度の高い試料では試料が注入できないなどの問題がありました。今回、キャップ付試験管や洗浄しやすいシャーレを使用した簡便な測定方法を紹介します。