技術情報 アプリケーション Application Data 260-AT-0237
FTIR Application Data

自動広帯域測定システムを使った広帯域スペクトルの測定

Introduction

一般的に中赤外分光法(4000~400cm−1)は分子の基準振動や回転に関する情報が得られるため、物質(主に有機物)の定性や定量に広く利用されています。これとは別に、倍音や結合音を利用する近赤外分光法(15000~4000cm−1)は食品、医薬品や各種工業製品の非破壊定量分析を中心に、重い原子問の伸縮振動や格子振動を利用する遠赤外(テラヘルツ)分光法(400~10cm−1)は無機物の定性分析や結晶構造解析を中心に利用されています。FTIRは光源、検出器、ビームスプリッタ(BS)、窓板の4つの素子を変更することで、中赤外、近赤外、遠赤外領域のスペクトルを1台のシステムで測定できます。つまり、FTIRを利用することで、基準振動のみならず倍音、結合音、格子振動の情報を総合的に評価できます。そこで、日本分光は近赤外から遠赤外までの領域を全自動で測定するために、FT/IR-6000シリーズに搭載可能な自動広帯域測定システムを開発しました。FT/IR-6000シリーズは光源、検出器の自動切換が可能で、自動広帯域測定システムはBSと窓板を自動交換するためのシステムになります。今回は自動広帯域測定システムの詳細および測定事例を紹介します。

Keywords
ATR PRO ONE、広波数対応ダイヤモンドプリズム、遠赤外、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、真空
アプリケーションデータ番号
260-AT-0237
発行
2014年