日焼け止めクリームや化粧下地などのUVカット効果のあるスキンケア製品の紫外線遮蔽性能を示す指標としてSPF値(紫外線防御指数)およびPA値(UV-A防御指数)が用いられています。
SPF値は、その値を示す日焼け止め化粧品を塗って紫外線を浴びた場合に、何も塗らなかった時と同程度に赤い日焼け(サンバーン、紅斑)を起こすまでにかかる時間の倍率を示しています。例えば、SPF25の日焼け止めクリームを塗ると、素肌と同程度の紅斑を起こすには25倍の時間がかかることを意味しています。
一方PA値は、黒い日焼け(サンタン)を対象としており、何も塗らなかった時と同程度のサンタンを起こす時間の倍率の数値がPA≦2ならばPA、PA=4~8ならばPA++と記号で格付けされます。
これらSPF値やPA値の評価方法は、ISO-24442やISO-24444を元に日本化粧品工業連合会で規定されており、1cm2当たりに2mgまたは2µLの試料を被験者の皮膚に塗布して人工太陽灯による照射を行い、塗布した場所としない場所の最小紅化時間を測定します。しかし、この試験は研究開発段階で行うにはコストがかかり、被験者の個人差も現れます。
そこで、日本分光ではISOや日本化粧品工業連合会の規格を参考に、分光光度計で日焼け防止化粧品の透過率スペクトルを測定し、スペクトルから簡易的にSPF値やPA値の算出が可能なSPF/PA値評価システムをご用意しました。また、専用のセルもご用意しており、2µL/cm2の厚さで皮膚に塗った時と同様の条件を再現することができます。
ここでは種々の日焼け止めクリームのSPF値およびPA値を測定、解析した結果をご紹介致します。