ニュース Customer News 「常温常圧での二原子炭素 (C2) の化学合成」 東京大学 宮本和範 准教授、内山真伸 教授

「常温常圧での二原子炭素 (C2) の化学合成」 東京大学 宮本和範 准教授、内山真伸 教授

2020年6月9日

東京大学 宮本 和範 准教授、内山 真伸 教授らの研究グループは、炭素原子二つだけからなる炭素二原子分子(C2)を初めて常温・常圧にて化学合成することに成功し、その特異な化学結合(電荷シフト結合を含む4つの結合)を実験により明らかにするとともに、C2 から炭素ナノ材料(C60、カーボンナノチューブ、グラフェンなど)が自然形成することを発見しました。化学の根幹をなす化学結合論を見直し、宇宙における炭素資源の起源に迫る成果です。

この成果は、2020年5月1日の Nature Communications 誌に掲載されました。

Nature Communications 誌へのリンクはこちら

常温常圧での二原子炭素の化学合成

先生のご紹介

宮本 和範 先生
宮本 和範 先生

東京大学大学院薬学系研究科准教授 博士(薬学)
2004 年徳島大学大学院薬学研究科修士課程修了。2005 年徳島大学助手。2007 年徳島大学助教(名称変更)。2014 年東京大学講師。2019 年東京大学准教授。
* 所属は論文掲載当時

内山 真伸 先生
内山 真伸 先生

東京大学大学院薬学系研究科教授 博士(薬学)
信州大学先鋭材料研究所教授(クロスアポイント)
理化学研究所主任研究員(兼務)
1995 年東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。1995 年東北大学薬学部助手。2001 年東京大学大学院薬学系研究科助手。2003 年同・講師。2006 年理化学研究所准主任研究員。2010 年東京大学大学院薬学系研究科教授。2013 年理化学研究所主任研究員(兼務)。2019 年信州大学先鋭材料研究所教授(クロスアポイント)。
* 所属は論文掲載当時
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先生からのコメント

「C2 の常温化学合成を達成し、C2 からナノカーボンが生成することを見出した本研究ですが、まだまだ謎は尽きません。次は、C2 を直接観測したいと思っております。「百聞は一見に如かず」ですね。実際に目で見ることで、より深い理解が得られることは間違いありません。今後の C2 研究の発展において「直接見る」技術が重要な鍵となるはずです!」