ニュース Customer News 「亜臨界溶媒分離装置で医薬食品分野の安全性を向上」東北大学 大田昌樹 准教授

「亜臨界溶媒分離装置で医薬食品分野の安全性を向上」東北大学 大田昌樹 准教授

2020年6月10日

東北大学 大学院環境科学研究科 大田昌樹 准教授が「医薬食品素材を安心安全に製造するための連動式自動背圧弁を搭載した亜臨界溶媒分離装置と理論の開発」で、フジサンケイビジネスアイ 第34回独創性を拓く 先端技術大賞(特別賞)を受賞されました。

この賞は、先端技術分野で活躍する若手研究者による独創性、創造性に富んだ成果を対象に文部科学省、経済産業省、フジテレビジョン、産経新聞社、ニッポン放送の後援、さらに多くの有力企業の協賛により毎年選考が行われています。

本研究開発においては、連動式自動圧力調整弁を含むオリジナルの装置を製作し、亜臨界溶媒(高圧気液平衡関係)を用いて医薬食品飲料素材からの高効率な有効成分の分離分画が実現された点が評価されました。さらに、蓄積された基礎データをもとに、超臨界二酸化炭素を用いた向流接触抽出に関連する基礎物性の推算モデルを構築した理論が評価されました。

大田昌樹准教授、フジサンケイビジネスアイ 第34回独創性を拓く先端技術大賞 社会人部門 特別賞を受賞 (東北大学 大学院環境科学研究科)

フジサンケイ ビジネスアイ 第34回(2020年度)独創性を拓く 先端技術大賞 受賞者

先生のご紹介

大田 昌樹 先生
大田 昌樹 先生

東北大学 大学院環境科学研究科 先端環境創成学専攻 環境創成計画学講座 環境分子化学分野 准教授
兼 大学院工学研究科附属超臨界溶媒工学研究センター
* 所属は論文掲載当時
東北大学 大学院環境科学研究科のホームページはこちら

先生からのコメント

従来、高圧気液平衡関係を維持したまま製品を気相ならびに液相からそれぞれ抜き出す市販装置はない状態でありました。それを自動背圧弁の時間間隔を制御することで連動化できたことにブレークスルーがありました。貴社には、着想から製品化までをサポートしていただいたことに心から感謝しています。
本法は、極性を異とする天然あるいは合成化合物の分離に向いています。使途は、医薬食品飲料・化粧品・化成品などです。色や香り、そして味の分離などに役立てていきたいと考えています。理論予測も一部成功していますが、まだまだ実例数は少ないためその数を広げていくことが今後の課題です。

関連情報:「連動式自動背圧弁の開発と亜臨界分離技術への応用」Jasco report Vol.61, No.1,30-35 (2019)