技術情報 アプリケーション Application Data 030-AT-0258
FTIR Application Data

ジェルネイル(光硬化樹脂)の硬化過程の分析

Introduction

近年、ジェルネイルと呼ばれる光硬化性樹脂を用いたネイル製品が広く使用されています。ジェルネイルは、着色された合成樹脂を紫外線や可視光線を照射して硬化する光重合反応を利用して爪上に仕上げられます。ジェルネイルには、一般には①爪表面との密着性を確保するためのベースコート、②染料や顔料を分散したカラーコート、③ジェルネイルの強度を高めたり装飾を保持したりするためのトップコートの3つから構成される場合と、これら3つの機能が1つになり自爪の前処理・後処理の不要なワンステップタイプのものがあります。いずれのジェルも光照射によって光重合開始剤のラジカル化が起こり、モノマーやオリゴマーの官能基とのラジカル連鎖反応によって高分子化されます。目的の反応機構が適切に進行しない場合、未硬化ジェルによってアレルギーが引き起こされることもあり、樹脂開発においては光重合反応過程の追跡が重要です。樹脂開発における反応効率の評価に寄与するために、今回アクリレート系光硬化材料であるワンステップタイプのジェルネイル製品について、赤外分光光度計を用いて光重合反応過程を追跡して評価しました。

Keywords
ジェルネイル、光硬化樹脂
アプリケーションデータ番号
030-AT-0258
発行
2019年
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