技術情報 アプリケーション Application Data 030-MT-0248
FTIR Application Data

赤外顕微鏡による混合異物の分析

Introduction

工業製品の製造過程では異物混入が原因で不良品が発生することがありますが、原因特定のための異物解析にFTIRによる分析が広く行われています。異物の成分が単一の場合には、マクロATRを用いて簡単に成分の同定を行うことができます。しかし異物は多種類の成分を含むことが多く、空間的に広い領域を測定するマクロ測定では、成分が混ざって検出されるため解析が難しく成分の同定が困難になることがあります。そのような場合には、赤外顕微鏡を用いたイメージング測定が威力を発揮します。イメージング測定では、測定エリアを格子状に細かく分割し各点のスペクトルを測定します。これにより空間的に各成分が分離されることで、成分の同定が容易になります。加えて、ケミカルイメージを作成することで観察画像からは分からない成分の空間的な分布を知ることも可能となります。今回は高速イメージング測定が可能なマルチチャンネル赤外顕微鏡を用い、ゴムパッキンに付着した混合異物の分析を行い、良好な結果が得られましたのでご報告いたします。

Keywords
異物混入、工業製品、ゴムパッキン、イメージング
アプリケーションデータ番号
030-MT-0248
発行
2017年