技術情報 アプリケーション Application Data 050-AT-0218
FTIR Application Data

加熱型1回反射ATRを用いた油脂の酸化劣化反応プロセスの追跡

Introduction

温度制御を行いながら赤外スペクトルを測定することで、加熱に伴う反応の追跡やDNA・タンパク質の熱変性、酵素の反応動力学的解析などが行えます。加熱に伴う反応の一例として、油脂に含まれる不飽和脂肪酸の酸化劣化反応が挙げられますが、この反応は調理などの加熱環境下で著しく促進されます。不飽和脂肪酸には、天然の油脂に多く含まれるシス体と食品の硬化油に多く含まれるトランス体がありますが、シス体はラジカルによる酸化劣化反応により過酸化脂質が生成したり、トランス体へ異性化することが知られています。

今回は、温度制御が可能な加熱型1回反射ATRをFTIRに設置し、市販のサラダ油を180℃に加熱し、不飽和脂肪酸の酸化劣化反応を解析しましたのでご報告いたします。

Keywords
ATR、酸化、油脂、時間変化、インターバル
アプリケーションデータ番号
050-AT-0218
発行
2010年