ASTM D7575 に準拠した極微量水中油分の定量

Introduction

近年、海や河川などの環境水中に油分が放出されることにより、生態系への影響や悪臭などの環境問題が発生することが懸念されています。そのため、水質管理を行う上で、水中油分の定量が重要となっています。従来はヘキサン抽出物質を定量する測定手法^*が採用されていましたが、作業工程が複雑であることが課題でした。一方、国際的に制定された ASTM D7575 では、溶媒抽出を必要としない簡易な測定手法を採用しており、より手軽に水質管理を行うことが可能です。

ASTM D7575 では、Orono Spectral Solutions, Inc. (以下、OSS社 http://www.ossmaine.com/) の油分抽出器や標準試料が採用されています。ここでは、FT/IR-4X フーリエ変換赤外分光光度計と OSS 社製品を組み合わせることで得られた、ASTM D7575 に準拠した極微量水中油分の測定例と、より低濃度の油分定量例を紹介します。