製品情報 FT/IR-4X

フーリエ変換赤外分光光度計

FT/IR-4X

1954 年日本初の赤外分光光度計 DS-101 を開発した東京教育大学附属光学研究所をルーツとする日本分光は、1958 年の会社設立以来、先人達の赤外分光光度計に対するスピリットを受け継ぎ、その集大成として FT/IR-4X を完成させました。ダウンサイジングを追求した結果、サイズはわずか 386 (W) × 479 (D) mm で消費電力も従来比 30 %減を達成しました。性能、機能、拡張性はリサーチグレードクラスであり、高分解、高S/N、高感度検出器、測定波数拡張、マルチチャンネル顕微鏡、ラピッドスキャンに対応しています。試料室は大型装置と変わらない幅 200 mm あり、サードパーティー製を含む大型付属品も使用できます。

フーリエ変換赤外分光光度計 FT/IR-4X の特長

リサーチグレードでありながら、ダウンサイジングを追求

A3 用紙2枚に収まるフットプリント

従来機(FT/IR-4000 series)と比較して、設置面積で約40 %の省スペース化を実現しています。

高 S/N、高分解、高波数精度を小型な筐体で実現

24 ビット A/D コンバーターや低ノイズ電気系、高輝度光源や高性能検出器、高スループット光学系により 35000:1 の高S/N となっており、微量試料や顕微測定が高感度に行えます。
食品包装ラップのコーティング剤(ATR 測定)とφ 0.5 mm の PS フィルム(透過測定)
最高分解は 0.4 cm-1 あり、ガスの振動スペクトルも測定可能です。また、自動アパーチャーにより分解に合わせて最適アパーチャーサイズに設定されます。
CH4(メタン)ガスの透過スペクトル(10 cm ガスセル使用)
半導体レーザーにより、長寿命化を実現し装置の小型化にも貢献しています。レーザー をXLD 方式により高精度に発振することで、He-Ne レーザーと同等の 0.0005 cm-1 の波数精度を有しています。
PS フィルムデータ(10回測定を重ね書き)とPS ピーク位置の安定性(10回測定をスタック表示)

安心して末永く使って頂くために堅牢性と拡張性を追求

メンテナンスフリー構造

実績のある堅牢な密閉型干渉計は、高い密閉性により湿度に弱い光学素子を保護します。光学素子保護のための終夜通電や乾燥剤の定期交換が必要ありません。内蔵温湿度センサーで常時モニターしており安心して使えます。また、干渉計窓板には、耐湿性に優る KRS-5 を採用しています。
サンプリングレーザーには、長寿命の半導体レーザーを採用し、長期にわたり安心して使用できます。
干渉計ミラーには、コーナーキューブミラーを採用し、外乱等による影響をリアルタイムでキャンセルします。
密閉型干渉計
半導体レーザー
コーナーキューブミラー

自己診断機能

起動時に自己診断機能により、装置の状態を確認します。異常があった場合、いち早く分かります。結果は自動的に記録され、経時変化を追うことができるのでデータに不具合がでた場合、遡ってチェックすることができます。

抜群の拡張性で、様々なアプリケーションに対応

検出器の増設が可能

MCT 検出器や InGaAs 検出器などを増設することができます。ユーザーが増設検出器を交換できます。
MCT 取付例
MCT 検出器による PMMA 薄膜の RAS 測定

ラピッドスキャン測定に対応

80 スペクトル/sec(16 cm-1 分解)のラピッドスキャン測定に対応しており、速い反応過程も確実に捉えることができます。
UV 硬化樹脂の反応過程(MCT 検出器使用)
1427 cm-1 ピークの変化

測定波数範囲を拡張可能

光源やビームスプリッタ、窓板、検出器を交換することにより、標準の中赤外以外に、近中赤外(11500 ~ 375 cm-1)、中遠赤外(6000 ~ 220 cm-1 または 6000 ~ 50 cm-1)に変更できるオプションを用意しています。
PVDF の中遠赤外測定

エキスパートと同じ分析が行えるソフトウェアを追求

スペクトルマネージャーVer.2.5 は、赤外分析が不慣れな方でもエキスパートと同じ様な測定が行えるナビゲーション機能が搭載されています。ナビゲーション機能により設定した条件は、メソッドに登録すれば後はメソッドを呼び出すだけで測定を開始できます。

ナビゲーション機能

ナビに従って設定するだけで、測定目的に適した測定条件が設定できます。

メソッド機能

よく使う測定条件をメソッドに登録すれば、次回から目的のメソッドを選択するだけで測定が行えます。
メソッドへの登録
メソッドの選択

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