技術情報 アプリケーション Application Data 080-TR-0212
FTIR Application Data

IRT-7000Sを用いた食品の水分分布状態の分析

Introduction

IRT-7000Sは単素子検出器を使用しているにもかかわらず、高速マッピングシステムの搭載により、通常の赤外顕微鏡と比較して約10倍短い時間で高速イメージング測定が可能です。一般的に高速イメージング測定にはマルチチャンネル検出器を用いますが、マルチチャンネル検出器でイメージングする場合の1点あたりの測定サイズはカセグレイン鏡の倍率で決定します。一方、単素子検出器の測定サイズはアパーチャサイズに依存します。このため単素子検出器ではアパーチャサイズを任意で変更できるという利点があり、広い領域を広いアパーチャサイズで測定するときは、マルチチャンネル検出器に比べ短時間で測定できる場合があります。以上のことから32倍対物鏡とリニアアレイ検出器で200µm角の領域を測定する場合よりも、単素子検出器でアパーチャサイズ50µm角で測定するほうが、測定点数は減るものの、より短時間で測定することができます。

広域を迅速に測定する用途のひとつに食品や生体組織のような時間に伴いサンプルが変質する可能性が高いサンプルがあります。今回はIRT-7000Sで数ミリ角の食品(焼きそば)の水分分布を、サンプルが乾燥する前に高速イメージングし、素人とプロがそれぞれ調理した、2種類の麺の水分分布の違いを可視化した事例についてご紹介します。

Keywords
高速イメージング、検出器、焼きそば、麺
アプリケーションデータ番号
080-TR-0212
発行
2009年